2025.11.11

一周

-93-

本日もあけました!
昨日、さらっと触れた「2024年度の全国の小・中学校における不登校児童生徒数」が過去最多を更新し、12年連続増加となった点について改めて取り上げたいと思います。奇しくも高知視察から戻ってきた時に発表されたものでした。

▼2024年度(令和6年度)小・中学校における現状
<文部科学省HPの公表数字より>
・不登校児童生徒数は、過去最多の353,970人(前年度346,482人)となり、12年連続で増加
・児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は38.6人(前年度37.2人)

・長期欠席者数も過去最多の506,970人(前年度493,440人)で、11年連続の増加
・小学校の在学者数は、594万2千人で、前年度より10万8千人減少し、過去最少
・中学校の在学者数は、314万1千人で、前年度より3万6千人減少し、過去最少

この現状について、単に不登校の数だけで捉えるのではなく、もう少し補足情報と併せて見てみると

▼2025年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口)
<総務省統計局HPより>
・前年に比べ35万人少ない1366万人で、1982年から44年連続の減少となり、過去最少

令和6年の出生数
<厚生労働省HPより>
・68万6061人で、前年の72万7288より4万1227人減少し、9年連続で最少更新
・年次推移は、昭和24年の269万6638人をピークに、昭和50年以降は減少と増加を繰り返しながら減少傾向が続いており、平成27年は5年ぶりに増加したが、平成28年から再び減少

・出生率(人口千対)は5.7で、前年の6.0より低下

これだけ児童生徒数やこどもの総数が減少しているにもかかわらず、不登校は増える一方。この反比例の異常事態はいかほどでしょう。


12年連続というのは、2013年の巳年にはじまり2024年の辰年まで、実に干支を一周してしまったわけです。これは尋常ではありません。たとえば、2013年に小1だったこどもが、12年経った今では高校3年生になっている。その間、現高3生に続いて育った小1から現高校2年生までの世代が、義務教育期間の”小中9年間を通過”する際、毎年不登校の最多記録を途絶えることなく更新し続けてきたというわけです。その全体母数が年々減っているにもかかわらず。したがって、千人あたりの人数の割合は、その濃度をとてつもなく濃くし続けている状況なのです。

「失われた30年」と言いますが、この失われ続けている -極めて濃縮された- 12年は、とてつもないダメージとなって今後の日本にのしかかってくるでしょう。と言いながら、12年で済むとも限らない、もはやどこまで続くのかさえ見えなくなっていますが。。。
シンギュラリティだの多様性だのと叫ばれる時代に、それぞれの特性を持つこどもたちのために学校が変わるべきか、依然として変わらない旧来的な学校のためにこどもたちが無理を強いられながら合わせるべきか、こたえは明白だと思います。

不登校の増加が12年もの「一周」を巡ってしまった今、固定観念や古い考えを一蹴して、あたらしいまなびに踏み出していかなければならないと改めて強く感じます。

ご一読いただきまして、ありがとうございました

それではみなさま、よいあけがたを!