2025.10.24

失敗ノベーション⑤

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本日もあけました!

昨日、「寒い夜に外に放置してしまった飲み物がアイスの誕生につながった」という海外の少年の逸話を挙げましたが、実は日本でも非常によく似た出来事がありました。しかも、それはこどもの失敗ではなく、大のおとなによる、しかも崇高な方の失敗です。

▼農林水産省HPより転載
・凍り豆腐は、鎌倉時代末期にうまれた日本の食品で、高野山で生まれた高野豆腐、信州や東北地方の農村地帯で生まれた凍豆腐(しみどうふ)の2種類あります。そして、2種類の豆腐の統一名として、「凍り豆腐」とよぶようになりました。現在の凍り豆腐は、高野豆腐を工業化したものです。かための木綿豆腐を凍らせて、凍ったまま20日間熟成させ、脱水し、乾燥させるとできます。

・高野豆腐の由来は、鎌倉時代、高野山の僧侶が精進料理として食べていた豆腐を外に置き忘れ、冬の寒さで凍ってしまい、翌朝溶かして食べてみて美味しかったことから広まったのだとか。

なんとっ! 僧侶がつい忘れて放置してしまったことで、高野山の高地の厳しい寒さによって豆腐が自然冷凍し、その結果、あたらしい食感の美味な食べ物が生まれたという、アイスの発明とそっくりな逸話です。

なお、「高野豆腐の日」は11月3日だそうでして、お正月のおせち料理を通じて家族で健康な新年を迎えていただきたいという願いを込め、文化の日に制定したそうです。そして、ちょうど年内に残る日数が58日(コウヤ)であることに因んでもいるそうです。

高野豆腐が僧侶の”うっかりミス”によって生まれたなんて、当人は「修行が足りん!」と、さぞや厳しい叱責を受けたでしょうに、それが800年もの悠久の時を超えて、後世に伝わる日本人の伝統食品となり、高野豆腐の日までできたと知ったら、むしろ褒められて然るべきだったと大変悔しがることでしょう。
こうやって生まれる偶然の大発明もあるんですね。

ご一読いただきまして、ありがとうございました

それではみなさま、よいあけがたを!