2025.10.22

失敗ノベーション③

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本日もあけました!

昨日紹介した「トーマス・エジソン」氏の好物だったと言われる”アップルパイ”で思い出しました。「失敗」が「イノベーション」になったことで有名なお菓子の誕生秘話です。

▼タルト・タタン
・19世紀後半のフランスで生まれた、りんごの伝統菓子
・発祥の地は、ソローニュ地方のラモット・ブヴロンの駅前にある「ホテル・タタン」
・ホテルを経営していたのはタタン姉妹で、姉のステファニー・タタン(1838~1917年)と妹のカロリーヌ・タタン(1847~1911年)
・ある狩猟解禁日の日曜日、猟を終えた客でにぎわう食堂は忙しく、ステファニーは長い時間対応していたが、デザートを作り忘れてしまっていた
・ステファニーは、慌ててバターと砂糖、剥いてあったりんごをタルトの型に詰めてオーブンで焼いてしまい、後から少量の生地を伸ばしてりんごの上に被せ、再びオーブンに入れた
・一枚の大皿にひっくり返してみると、りんごはあめ色に輝きとろけるような食感で、その温かい状態で猟師に提供したところ評判に
・これがホテル・タタンの看板菓子となり、ソローニュ地方一帯に広まった
・姉妹の死後、美食家で有名なキュルノンスキーが食し、1926年に「タルト・デ・ドゥモワゼル・タタン(タタン姉妹のタルト)」と紹介したことからパリでも知られるようになり、一躍世界的に有名なお菓子になった

タタン姉妹の思わぬ失敗から誕生した「タルト・タタン」は、世界中の人々を魅了してやまない傑作となったのです。
料理やお菓子づくりに失敗は付き物ですが、その失敗を失敗で終わらせずに、瞬時に機転を利かせたアイデアによる逆転劇で、後世に残るあたらしい逸品を生み出したタタン姉妹に脱帽です。

例によって諸説あるため、「りんごのタルトを作ろうとして焦がしてしまった」「オーブンの中でうっかりひっくり返してしまった」という失敗説もありますが、いずれにしても可笑しな失敗談に変わりはないですね。

ご一読いただきまして、ありがとうございました

それではみなさま、よいあけがたを!