2025.09.26
イネ
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本日もあけました!
湯島にはじまり、猫神社や犬神社の話題に移っていきましたが、核心に迫ろうと調べれば調べるほど感じるのは、とにかく「諸説」の多いこと。
ねこに限った話でも、その名の由来や干支の話において、いくつもの説があります。その中で最も有力とされるものが「通説」として広く一般に知られ定着することになりますが、それでも複数の説が存在する以上、確固たるものがないのは否めません。
たとえば、ねこの伝来についても諸説あります。
イエネコの祖先は、中東の砂漠などに生息していたリビアヤマネコと言われていますが、日本にいつごろ入ってきたかについては
〇飛鳥時代・奈良時代・平安時代にかけての説
・遣隋使や遣唐使が運ぶ、仏教の書物や経典が鼠に食い荒らされることから守るために、船に猫を乗せて大陸から連れてきた。(ここにもやはり寺院との密接な関係があります!)
〇古墳時代後期の説
・兵庫県姫路市の見野古墳群6号墳や福井県美浜町の興道寺遺跡円墳の周溝から出土した須恵器に、猫らしき足跡が見つかった。
〇弥生時代の説
長崎県壱岐市のカラカミ遺跡からイエネコの前脚の骨と見られる動物の骨が出土した。
と大きな幅があります。
従来有力だった「仏教伝来とともに」の説を覆す「農耕の技術とともに中国大陸もしくは朝鮮半島から、穀物を食い荒らす鼠を退治する益獣として渡来した」とのあらたな有力説が浮上したのです。
そして、日本唯一の国立歴史博物館である国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)も、まさにこの一連の情報に関連して、同館で先史時代および古代を扱う常設の第1展示室が、昭和58年の開館以来、初のリニューアル(2019年)となる状況にもつながっているのです。
・弥生時代の幕開けと位置付けられる水田稲作が日本に伝わったのは、従来の定説より約500年早い紀元前1000年頃と特定する研究を2003年に発表。
・上述のカラカミ遺跡から出土したイエネコの骨の発見により、日本列島へのねこの到来が弥生時代までさかのぼることが明らかになったことを受け、穀物を保管する高床倉庫で2匹のねこが鼠の番をしている模型に反映して展示。
これは歴史を揺るがす、なかなかなひと騒動ですね。
騒動と言えば、今年話題になった「令和のコメ騒動」がありました。コメの収穫時期は、全国的には例年9月後半から10月前半にかけてピークを迎えるそうですが、大切なお米を保管する上で昔のように「コメを守るねこがイネーとひと騒動だ」なんてことはもうないんでしょうね。
ご一読いただきまして、ありがとうございました
それではみなさま、よいあけがたを!