2025.09.25
コマ
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本日もあけました!
「犬神社」の真相やいかに!
これまでの話を簡単に振り返ると
・神道では、四つ足(四本脚)の動物は「穢れを呼び込む」とされており、神域である境内のみならず敷地への立ち入りを認めていない。
・一般的には、多くの寺社においてペットを連れた参拝は禁止されており、具体的には、「ペット=犬」を指していることがほとんど。
・しかしながら、そもそもの前提である「四足歩行の動物」には、犬のみならず、狐も獅子も該当する。
でした。その観点で捉えたとき
・狛犬は、”獅子”である。
・”狐”は稲荷神社、”牛”は天満宮に見られ、共にお祀りされている神さまの神使(しんし)とされている。
ほかにも実際
・春日大社の”鹿”、日吉大社の”猿”も神の使いとして尊ばれている。
というように「四足歩行の動物」 -一部、空想上の生き物が含まれるとは言え- であることに違いありません。(伊勢神宮の鶏、八幡宮の鳩などは四つ足ではありませんが)
と、ここであることに気づきます。それは「相性」というものです。
・”狐”は、犬を嫌っていることから”狐”の像が置いてある稲荷神社は、犬を禁止にしているところが多い。
・境内の”鹿”が犬を非常に怖がるため、犬の連れ込みを遠慮している神社もある。
ここから見えてくることがあります。確かに、犬やその祖先である狼の性質は、
・狼は、主に”鹿”や”猪”をはじめ、”狐”も食べることがあり、餌動物として狩る天敵である。(昨今、鹿や猪が増えたのは、狼がいなくなったことが原因と言われている)
・「犬猿の仲」という諺があるように、”猿”と仲が悪いとされている。
・牧畜犬として活躍する通り、”牛”なども犬に追い立てられる。
だいぶ犬の分が悪くなってきました。。。ねこは、これらの動物とそのような敵対関係はあまりないですよね。
ここで思い至ることがあります。
以前、「ねこ」の由来として「寝る子」という説に触れたことがありましたが、諸説ある中には、害獣である鼠からお米などの食料や書物を守る「子(ね)を捕まえる神(こま)」が由来という説があるのです。「ねこ」の”こ”が神だなんて、「オオカミ」の”カミ”とはわけが違います。笑
さらにダメ押しのように重ねると、ほかには「寝高麗(よく寝る高麗から渡来した動物)」との説もあり、狛犬の高麗は誤解だけれども、ねこの”こ”は正真正銘の高麗由来だとすると、あらゆる方面で犬の入る余地はなさそうです。
いや、だけど境内に「狛猫」は入ってないじゃないか!と犬養護の声が聞こえてきそうですが、安心してください。ちゃんと入ってますよ!
丹後峰山の金刀比羅神社(京都府)や修那羅山安宮神社(長野県)、差出磯大嶽山神社(山梨県)の境内社の甲斐蚕影山神社、南部神社(新潟県)等の実態も伴っているんです。
見てきた通り、犬の寺社もないわけではありませんでしたが、全体的な形勢としては、ねこに軍配が上がる感じでしょうか?
ただ、最後の最後にまた思い出すことがあります。これも以前に触れた「干支」です。ねこは確かに多くの寺社に入り込んでいて、名実ともに神の域に近いけれども、犬はあまり歓迎されていない。にもかかわらず、犬は干支にしっかり入っていて、ねこは入れなかった。さすが神様は「双方が困らないように」と、ちゃんとバランスを取られているのではないかと勝手に想像に想像を膨らませて畏まっています。
ご一読いただきまして、ありがとうございました
それではみなさま、よいあけがたを!