2025.09.24

Oh!カミ

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本日もあけました!

いよいよ「犬神社」があまりないという真実に迫りましょう。

例によって、できるだけ具体的な数字で拾えるものを神社に限らず”お寺も含めた寺社”で調べてみました。

▼地球の歩き方の御朱印のガイドブック一覧より
・現在、全54点ほどある御朱印ガイドブックのうち、”犬関連”はゼロ。
・対して、”猫関連”は「日本全国ねこの御朱印&お守りめぐり 週末開運にゃんさんぽ」「関東版ねこの御朱印&お守りめぐり 週末開運にゃんさんぽ」の2点。
・誌面で紹介されているのは、「日本全国ねこの御朱印&お守りめぐり 週末開運にゃんさんぽ」に全国82寺社。「関東版ねこの御朱印&お守りめぐり 週末開運にゃんさんぽ」で関東72寺社。


▼荒川上流域のオオカミ信仰
出典:関東地方整備局ウェブサイト(https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000742016.pdf
日本国内では明治末期に絶滅したとされるオオカミですが、荒川上流に広がる秩父山地もまた、かつてオオカミの生息地でした。
秩父山地一帯には「お犬様」と称してオオカミを祀っている神社が多数あり(三峯(みつみね)神社など計21社)、全国的にもめずらしい地域です。江戸時代に始まったとされるお犬様信仰は、関東甲信地方へ広がりをみせ、その信仰は現在もなお続いています。そのためこの地域では、現在も毛皮や頭骨を保存している家が何軒もあり、オオカミにまつわる伝承や伝説も各地で聞くことができます。

ハイカー向け 狛狼犬41選 (東京近郊編
出典:ヤマレコウェブサイト(https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=3632
ハイクの途中でよく見かける狛犬ですが、今年(2024年)の正月大岳山に上ったときいつも挨拶している山頂下神社の素朴な狼犬様(表題写真)を某SNSに投稿したところ参考になるコメントをいただきさらに興味が湧きました。
調べてみるとなかなか奥が深いようで、表題写真のように狼犬を狛犬として祭ってある(以下「狛狼」)のは、秩父三峯神社の山犬信仰にまつわるものと武蔵御嶽神社の大口真神信仰に関連したものが多いようでした。

さらに調べると東京近辺から全国に渡って100ケ所超が見つかりました。


正確な猫・犬ゆかりの寺社の数を割り出すのは困難でしたが、「お犬様」も負けじと関東圏の一部に多く存在するほか、全国にも相当数あることが判明し、かなり健闘していますね!
「お犬様」と言っても、その祖先とされている「オオカミ」だとのツッコミもありそうですが、「狛犬=獅子」も、ネコ科ではあるものの「ねこ」そのものではない、みたいな話もありますからね。
ただ、ひとつ言えるのは、御朱印では圧倒的にねこ優勢というか、非常に人気が高いことが見て取れ、その点で犬は水をあけられてしまっています。

でも、この周辺情報の数字だけでは決めつけられません。もう少し定性的な面も調べてみたところ、特徴的だったのは、

・神道では、四つ足(四本脚)の動物は「穢れを呼び込む」とされており、境内のみならず敷地への立ち入りを認めていない。
・一般的には、多くの寺社において、ペットを連れた参拝は禁止されている。

ということが前提としてあるのですが、その大体が「ペット=犬」を指しているのです。
当然ながら、同伴できるペットとなると、リードをつけて一緒に動ける犬がほとんどで、その代表格として表されているのでしょう。
現代では犬も家族の一員であることから、実際はペットを連れてお参りをしている方も多いのが現状で、寺社(特に神社)は黙認しているのが実態なわけです。さらには、ペットのためのご祈祷やお守りを販売する神社も次第に増えてきているほどで、寺社も経営がある以上、地域の方からの浄財で成り立っていることも含め、受け入れたり、犬も含めた家族のみなさんに気持ち良くお参りいただけるように取り組まれている姿勢も伝わってきます。

そんな寛容さに甘えてしまったのか、ここ数年、残念な事態が起きているようです。それは、近年ペットと一緒にお参りすることを容認してきた寺社でも、改めて明確に禁止せざるを得なくなってしまっているのです。主な原因は排泄物の処理をはじめ、境内で吠えたり、ノーリードで歩かせたりといった行為が横行するなど一部の心ない飼い主さんのマナー違反によるもので、犬がどうこうと言う以前に、その飼い主さんの問題でもあるようです。

とここまで記しましたが、「四肢の動物」の代表格として犬だけが寺社から締め出されるのは不公平(ペットの話はどちらかというと最近の話)ですし、「オオカミ」という響きの中に”カミ”が宿っているので、もう少し丁寧にかみくだかなきゃいけない気がしています。(汗)
狐も獅子も「四肢」である以上、そこのところをもう一息、深掘りしてみます

ご一読いただきまして、ありがとうございました

それではみなさま、よいあけがたを!