2025.09.16

沸騰

-57-

本日もあけました!

ちょっとゴジラづいてきた流れで、『ねこだまなおとな』の紹介です。

「ゴジラ-1.0」が世界の喝采を集めた、第96回米アカデミー賞の授賞式において、そのニュースと同じく大きな話題を集めたのが、記憶にあたらしい“ゴジラシューズ”でした。登壇した山崎監督や製作スタッフ陣の足元を彩ったのは、ゴジラの手が踵を鷲掴みにするような造形のヒールで、世界を沸かせました。

今回紹介するのは、そのアカデミー賞が行われた2024年より5年も前の、2019年のモノです。それは、ゴジラ誕生65周年の節目に世界限定65点で販売された「南部鉄器ゴジラ」です!
今、一緒に動いているメンバーからの紹介で「ねこだま」の場づくりにご参画いただいている、素敵な職人集団のものづくりによる製品です。

<株式会社 及富HPより(抜粋)>
▼「南部鉄器ゴジラ」
芸能生活65周年を迎える日本を代表するレジェンドスターである宝田明氏が、同じく1954年に第1作目が上映された名作「ゴジラ」が今年で65周年を迎えるのを祝して、世界で初めて「南部鉄器」と「ゴジラ」のコラボレーション商品を総合プロデュースした逸品です。
この製品は鉄瓶としては勿論、インテリアアクセサリーとしてもお楽しみいただけるもので、ゴジラの迫力と南部鉄瓶の重量感溢れる質感が魅力的な作品となっております。
日本の伝統文化である岩手県の南部鉄器の新しいチャレンジとして、宝田明氏によるプロデュースのもと、従来の鉄器鋳造とは違ったロストWAX方式による新技術を駆使し、ロウ型製作、流し込み、仕上げを行い、一貫製作して完成させたのが、この「南部鉄瓶ゴジラ」です。
原型の製作には英国人の彫刻家グレゴリー・ローズ氏、鋳造には株式会社 及富の八代目及川富之進氏のご協力を頂きました。

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「1つ1つハンドメイドで丹念に造り上げため、ご注文を頂いてからお納めする迄に3か月程を要します。」とあり、これぞ”魂のしごと”だと感じさせます。
そこには脈々と継承され、伝統を積み重ねてきた”レジェンド”であると同時に、進化へのあくなき挑戦を重ねる”イノベーター”たる物語があります。その物語を辿ってみましょう。

▼及富と南部鉄器の歴史
南部鉄器の歴史は、平安時代、近江の国(滋賀県)より時の藤原氏が鋳物師を招いたのが始りとされ、おおよそ950年前にさかのぼり現歴史遺産 平泉全盛期時代は梵鐘・仏具なども作り平泉文化の一翼を担ったと言われ、江戸時代には伊達藩の保護も受け、昭和34年、盛岡と奥州水沢とが南部鉄器のブランドを確立し現在に至ります。
及富は、1848年、現在の岩手県奥州市水沢羽田地区にて、初代 及川利源太により宝生堂として創業され、伊達藩の保護のもと伊達家のお抱え釜師として活躍しました。茶の湯から始まった及富の歴史は、170年を越え現在も継承されています。盛岡、奥州、二つのルーツをもつ岩手県の鉄器産業が南部鉄器として伝統的工芸品に指定されたことからこの地に古くから伝わる鉄器の魅力を伝えてまいりました。
地球の誕生から今日まで、人類の文明を支える主要な資源となってきた鉄を、将来孫の代まで世代を超えて残し活かす、サスティナブルなものづくりを進める職人集団です。

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ゴジラが今年で71周年。映画界のレジェンドとして君臨し続けていますが、その1世紀先行く及富は177年。これらの存在は、伝統とは”進化を重ね続けた年月の証”の称号であると教えてくれます。VFXという現代のデジタル職人とともに進化を続けるゴジラ。そんなゴジラとのコラボをも実現する、古から続くアナログ職人による進化を止むことのない南部鉄器。このような象徴的な両極を併せ持つ日本・日本人の幅広さ、奥深さは”はかり知れない”力を魅せてくれますし、そのいずれもがこれからのこどもの進化を後押ししてくれる存在であると私の目には映ります。

100年、200年と研鑽を重ねた歴史ある技術も「これで良い」という終わりのない、その日その日の気候や素材の状態など常ならざる環境において、「もっとできるはず」「なぜ?どうして?」という意志や疑問を持ち、能動的に情報に触れ、自身の頭で考え、試行錯誤の実行を繰り返す「独学独創」が支えているはずです。デジタルであろうと、アナログであろうと、どんな世界においても観察による”まねび”は最強のまなびの力だと気づかせてくれます。

それにしても面白いのは、映画のゴジラで演出の要となった「水」の存在、世を沸かした南部鉄瓶ゴジラが文字通り沸かすのも「水」ですね。


ここはひとつ、沸かすのが得意な及富の方々と一緒に、「ねこだま」を沸騰させていきたいところです♪

ご一読いただきまして、ありがとうございました

それではみなさま、よいあけがたを!