2025.09.04

周知の

-50-

本日もあけました!

昨日は、著名な”ねこ”系の方のお誕生日で盛り上がっていましたが、この週末にかけてもお祝いモードが続くようです。その”ねこ”系な方というのは、国民的キャラクターとしてみなさんご存じ”ドラえもん”です。

言わずと知れた”猫型”ロボットで、2112年9月3日が誕生日らしく、今はまだ「-87歳(?)」ですね。
でも、のび太の誕生日は1969年8月7日とのことなので、56年前にはその姿を現していたということになりますから、なにを基準にお祝いすれば良いのか、よくわからなくなってきました。笑

誕生日にまつわる「1293」という数字は、ドラえもんを象るもので、身長129.3センチ、体重129.3キロ、胸囲129.3センチというのは、有名ですね。そして、この数字は、ドラえもんの連載が始まった1969年当時、のび太と同い年にあたる実際の小学4年生、10歳のこどもたちの平均身長が129.3cmだったことからというのは周知の通りです。

と、ここまで書きましたが、本当にそうなのでしょうか?

学校保健統計調査(日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト「政府の統計窓口(e-Stat)」)の数字を拾ってみたところ、

▼1969年・昭和44年度(全国:平均身長)
10歳:134.9㎝(男)、135.7㎝(女)/9歳:130.0㎝(男)、129.7㎝(女)

▼1968年・昭和43年度(全国:平均身長)
10歳:134.5㎝(男)、135.3㎝(女)/9歳:129.7㎝(男)、129.3㎝(女)

です。いかがでしょうか?

まことしやかに広まり、定着している数字は、実際には1969年でもなければ、10歳でもなく、男女全体の平均でもない「1968年」「9歳」「女の子」の数字です。多くのサイトでは、「小学4年生の平均身長」と説明されており、まずこれ自体が誤りであることは明白です。そして、「小学4年生の女子の平均身長」の数字という点に言及しているサイトはいくつか見かけましたが、それでも実際には微妙な差異(年度や年齢のズレ)がある点で、やはりこれも不充分と言えます。なお、のび太の誕生年が1964年生まれや1962年生まれの説もあるようですが、いずれにしても129.3㎝がきちんと当てはまる年はありません。
ご興味ある方は、ぜひこちらで調べてみてください↓
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)

昨今、AIの誤りの怖さや鵜呑みにする危険性を殊更に取り上げ、槍玉にあげられることが多いのに違和感を覚え、やや辟易としますが、これこそAI以上に人間自身がその誤りに気付かず、確認もせずに流布する怖さではないでしょうか?
AIもこどもも社会の写し鏡と綴ったことがありましたが、実にわかりやすい例だと思います。

ちなみに、Geminiに質問したところ、当然の如く、流布している”定説”と同じ回答でした。そりゃそうですよね、写し鏡ですから。それでも何度かやり直しを求め、最後はデータ元まで丁寧に指し示しましたが、残念ながら「ファイルの読み込みやウェブサイト上のデータベースを操作して読み取ることはできない」と白旗を掲げられてしまいました。(有料版等、ハイスペックのものまでは試していませんので、あしからず)

周知の事実として「そんなことも知らないの?常識だよ、常識!」なんて話していたら、羞恥の不実に見舞われるなんてことになるかも。

ご一読いただきまして、ありがとうございました

それではみなさま、よいあけがたを!