2025.08.28
☆特別週間:DAY4
-43-
続・9月1日に向けて。
昨日、こどもたちの「クライシスデー」の実情を浮き彫りにしましたが、そんなこどもたちのためにできた「こども家庭庁」のデータで気になるものがありましたので、考察してみましょう。
▼こども家庭庁HPより
令和6年版こども白書 我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査(令和5年度)
調査対象者:各国満13歳から満29歳までの男女
▾「自分自身に満足している」こども・若者の割合(2023年度)
我が国のこども・若者の約6割が、「自分自身に満足している」と感じており、こうした肯定的な自己認識には改善が見られ、諸外国に比べると低さは見られるものの、その差は小さくなっている。
※数字は、左が「そう思う」 右は「どちらかといえばそう思う」
日本 16.9% 40.5%
アメリカ 36.4% 36.8%
ドイツ 32.7% 41.3%
フランス 35.9% 39.8%
スウェーデン 30.9% 41.4%
▾「自国の将来は明るい」と思うこども・若者の割合(2023年度)
「自国の将来は明るい」と思う我が国のこども・若者の割合は約2割にとどまる。新型コロナウイルス感染症が流行した時期を挟む比較ではあるが、2018年度と比べ、「暗い」と思うこども・若者の割合が、諸外国の中でも、比較的大きく増えている。
※数字は、左が「明るい」 右は「どちらかといえば明るい」
日本 4.4% 18.7%
アメリカ 19.5% 29.8%
ドイツ 23.5% 38.3%
フランス 20.4% 34.9%
スウェーデン 25.4% 35.7%
上記2設問におけるコメントとその数字の内訳を照らし合わせて、違和感を覚えないでしょうか?
確かに、よくある見方としてTOP2ボックスの合計では、その通りかもしれません。ですが、TOPボックスだけで比較すると、とてもそんな生易しい話には受け止められません。
そもそも、この手の調査においては、「日本人と外国人では、控えめで曖昧な回答をしがちな傾向のある日本人の価値観と外国人のそれとでは比較しづらい」という指摘もあり、なるほどそうかと思う部分もなきにしもあらずですし、たとえば上記調査の国の選定や数自体もどうなのかといった視点等もあります。ほかにも、世界の国と比較した日本の、あるいは世界の若者と比較した日本の若者の意識調査や幸福度の比較はいくつか存在し、その捉え方は実際難しい面もあるとは思うものの、それでも仮にこの調査でみた場合、TOPボックスの数字の開きはあまりにも大きすぎて、これは国民性の問題と簡単に片づけられないと感じてしまいます。
そしてなにより、このコメントもどこか遠慮気味に評価しているようにさえ見えてしまいます。1つ目の設問では、各国とダブルスコアに近い開きが出ていますが、2つ目ではそれどころではない、とてつもない乖離と言えます。
やや毛色の違う設問になりますが、同様のことが感じ取れます。
▾「こども政策の推進に関する意識調査」(2023年度)
「結婚、妊娠、こども・子育てに温かい社会の実現に向かっている」と思う人の割合は3割弱となっている。
これも実のところ、内訳は「そう思う」5.9%、「どちらかというとそう思う」21.8%。
3割弱どころか、6%程度と見て本気で取り組まなければ、「温かい社会の実現」なんて、一向に叶う気がしません。。。
とは言っても、いよいよ”こどもまんなか社会の実現”のために新設された「こども家庭庁」にもぜひ本腰を入れて推進いただきたいとのエールを込めて、こどものための相談窓口(リンク先)をここに紹介しておきます。
▼こども家庭庁HPより
相談窓口(https://www.cfa.go.jp/children-inquiries)
こどもが抱えるさまざまな困難について、こども自らが悩みを相談でき、SOSを発信できる相談窓口や子育て当事者の皆さんが悩みを相談できる窓口の情報を掲載しています。
虐待、いじめ、性被害、貧困、心の悩み、自殺、ヤングケアラー、人権侵害、青少年問題、妊娠出産・発達の悩み、その他(ネット・SNS・アプリ・金銭等のトラブル等、窓口によって異なります。)などの内容を相談できる窓口の情報を掲載しています。
ご一読いただきまして、ありがとうございました
こどもたちとともに、日本のあけがたをあけたい