2025.07.02
同期
-10-
一年のちょうど真ん中、183日目の日があけました!
アケガタログもちょうど10回目(番外編除く)となりましたので、ちょっとここで軽くおさらいです。
こどもたちを取り巻く現状は
→こどもの数(15歳未満人口)は、前年に比べ35万人少ない1366万人:44年連続減少
→不登校児童生徒数は346,482人(前年度299,048人):11年連続増加
※長期欠席者数は493,440人(前年度460,648人)
○学校教育現場で時間のかかっているデジタル化(学習者用デジタル教科書の活用状況)
→デジタル教科書の提供の割合:国が提供している数字として、ニーズの高い「算数・数学」でも5割強
※民間販売数は、紙の教科書の1%前後(「算数・数学」でも1.3-2.4%)
→その使用頻度も「4回に1回未満」が約半数
→令和10年度には「すべての学校がデジタル教科書を実践的に活用している」ことを目指し、取り組んでいる
→ペーパーレス化に関する学校の実態は、「業務にFAXを使用している」が95.9%
対して、実際の社会は
○インターネットやブロードバンド、モバイル通信など、情報通信ネットワークと切りはなせない社会
→「情報通信インフラ」によって支えられている「情報社会」
→情報通信機器の世帯保有率は、「モバイル端末全体」で97.4%
※内「スマートフォン」は90.6%、パソコンは65.3%)
→これまでの「皆と同じことができることのみを評価」「大人が測りやすい力を評価」をする構造やそれらを重視する価値観を変える必要
→平均点主義を脱却し、「評価軸」を学校・企業・大学・保護者など社会全体の理解とともに変えていく必要
→子供が多様な人に触れ、学校にとどまらない学びの場所を提供することで、子供の持っている良さや可能性を多様な第三者から引き出すことにより、子供に対する「評価」を多様化していくことも重要
という話を各所データとともに紹介してきました。
大人はコロナ禍を経て、これまでのほぼ出社一択だった働き方に、在宅という選択肢もできました。そして、否応なしにアナログからデジタル化・オンライン化が一気呵成に進み、会議も作業もオンラインでいつでもどこでもできるようになりました。(業界業種、あるいは個々の会社の方針等による差はあれど)
日本は生産性が低いと言われて久しい状況下、まさに浮彫になった「今まで忙しいと言っていた忙しさとは何だったのか?」「いかに非効率な面が多かったか」ということ。オンライン業務によって働き方は変わり、生き方の選択肢の幅もでき、それこそ移住だってできるようになりました。裏を返せば、いかに多くの本質的でない業務や時間、価値観という名の思い込みに囚われていたかということです。
でも、こどもたちは・・・。
10年後、その変化が加速度的に進む一方の社会に出ることを本気で考えた場合、現状対応以上に、その先を考えて、今をどう生きるかの問いに真正面から向き合っていかなければ立ち行かなくなるのではないでしょうか。今を生きるということは、目の前のこの瞬間という点に縛られるのではなく、”今の時代”を捉えて生きる必要があるのではないでしょうか。
”もしも自分が小学生だったら”と想像してほしいことがあります。実際に目の前にいるこどもたちが口にはしなくとも、きっと疑問に思うであろうことを。
(大人は出社しないで家でも仕事をできるのに)なんでこどもは学校に通わないといけないの?なぜ家でオンライン授業や勉強ができるという選択肢はないの?
(大人は大事な仕事でもインターネットやAIで調べたり活用したりするのに)なんでこどもは暗記みたいにたくさん覚えて、そのテストばかりさせられるの?大人になって、学校の教科書で習った知識をどれだけ使っているの?ほとんど忘れてたり、今習う内容と違ってたりもするじゃん!しかも、どれだけ知識があるか自体には、もう価値がなくなってきているって聞くけど。
(大人も散々使っているインターネットを悪く言い過ぎじゃない?)テレビや新聞だって、結構大きく間違った内容が含まれていることがあったり、教科書だって訂正したり変わったりすることがあるのに。大人こそネットでほとんどのことを調べてるし、嘘を信じたり拡散したりする大の大人こそ、リテラシー教育が必要なんじゃない?
(同時翻訳できる時代に)なんで英語を全員勉強しなくちゃいけないの?そもそも”英語はツールでしかない”って言うなら、それこそ翻訳ツールに任せて、自分が興味あることにもっと時間を使った方がよくない?大体、中・高6年間(とそれ以上)も勉強してきたはずの大人も全然話せない人が多いじゃん!
(こたえのない時代ということは、大人も先が見えていないのに)なんでいつまでも学歴にしがみつくの?そんなに必死で受験しても、10年後には通用しなくなっているんじゃないの?世界でも日本でも、本当に凄いひとたちは大学行かずに起業しているよ?
等々、これらにどう”本音で”答えられますか?
実際問題、こどもによっては特定の感覚が過敏であるとか、一時的な病気や怪我も含めて体調面で登校が難しいとか、多様な特性や環境にも対応できる(大人は子育てしながらも働ける選択肢が増えた!)ひとつの選択肢として、必ずしも学校に行かなくてもいい形もあるのではないかと思います。むしろ、狭い世界の学校の中だけにいるよりも、よほど学校外の学びによって現実の社会ともつながる中で深まる学びも多いのではないかとさえ思えます。
「こどもにはまだ早い」「こどもはそういうもんだ」という感じで、和尚さんのように言いくるめたり、誤魔化したりするのではなく、核心に触れる大切なことを”今の時代”をともに生きる大人が一緒に考え話してくれる、それが今を生きるこどもたちとって最も必要なことかもしれません。
変化する時代に同期する、同じ時代を生きる同期として。
ご一読いただきまして、ありがとうございました。
それではみなさま、よいあけがたを!