2025.06.30
”鑑”は、だぁれ?
-8-
今年の上半期最終日があけました!
前回、主にツールにおける「アナログ ➤ デジタル」の移行の視点で話をしましたが、それ以上に大きな観点があります。それはまさに社会を一変させた、人類最大の発明のひとつに数えられる「文明の利器」インターネット。今では、現代の私たちの日常生活を支える、なくてはならないインフラ(社会基盤)になっています。
以下、総務省HP(情報通信白書 for Kids:小学生向けサイト)より
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情報社会とわたしたちの暮らし
わたしたちは今、インターネットやブロードバンド、モバイル通信など、情報通信ネットワークと切りはなせない社会で生きています。情報社会とはどんな社会なのか、わたしたちの生活は以前とどのように変わり、これからどのような未来に向かっているのか、考えてみましょう。
情報社会
わたしたちが暮らす社会は、「農業社会」から「工業社会」へ、そして「情報社会」へと変わってきています。
「農業社会」から「工業社会」への移行には、蒸気機関などが大きな役割を果たしました。「情報社会」への移行には、コンピュータとネットワークが大きな役割を果たしています。
たとえば、農業はむかしも今もありますが、最初は人手やかちくにたよっていたものが(農業社会)、トラクターなどの機械にたよるようになり(工業社会)、そして、今ではバイオテクノロジーや気象情報などを利用(情報社会)するようになってきました。
モノを作ったり日々の生活を送るという点ではむかしも今も同じですが、「情報」を積極的に活用することにより、人々の働き方、暮らしは大きく変わってきたのです。
コンピュータは大量の情報をとても速いスピードで処理することができ、ネットワークは大量の情報をいろいろな場所に速く送ることができます。このようにしてやり取りされる大量の情報をもとに、わたしたちはさまざまなことを考え判断し、ものを作ったり、日々の生活を送ったりしているのです。
情報社会を支える「情報通信インフラ」
社会のあちこちにあるコンピュータやネットワークを合わせて「情報通信インフラ」と呼びますが、ここ30年来の発達には目をみはるものがあります。
インターネットの進展とともに世界中のコンピュータがネットワークでむすばれ、地球の反対側にいる人とも、あっというまに情報をやり取りしたりやコミュニケーションできるようになりました。
スマートフォンや携帯電話などのモバイル端末が広まったことにより、どこにいても、移動中でも、電話をかけたり、ネットワークに接続したりできるようになりました。
また、「ブロードバンド」の広がりによって、それまであまりできなかった動画や音楽なども高速で送りあえるようになりました。
このように日々発達する情報通信インフラを活用しながら、わたしたちは毎日暮らしています。
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こどもは大人の写し鏡と言いましたが、ほかでもない大人自身、四六時中インターネットにつながり、スマホなどで動画を見たり、ゲームをしたり、仕事も遊びも学びもほとんどそのすべてをネット上で行う日常になっているわけです。必ずしもあげつらっているわけではなく、そのような社会インフラ化したインターネットなしにはあらゆることが儘ならない状況が現実としてあるのです。それを素直に認めずに、自分自身はそういう状態にどっぷり浸かりながら、むしろこどもからは遠ざけようとするなんて、まさに水飴を独り占めしてこっそり楽しむ反面、一休さんには“毒”だと誤魔化そうとする和尚さんそのものですよね。
デジタル社会の変化への適時対応が進まない学校。残念ながら、それは学校だけではない、大人たち全員の問題です。国としても危機感や課題意識は持っているようですが、こどもたちを取り巻く大人社会全体が、その関心や行動を高め起こしていかないことには一向に変わることはないでしょう。
内閣府HPより
Society 5.0の実現に向けた教育・人材育成に関する政策パッケージ 令和7年1月21日
『これまでの「皆と同じことができることのみを評価」することや「大人が測りやすい力を評価」をする構造やそれらを重視する価値観を変えずに、デジタル技術を最大限活用した「個別最適な学び」を進めた場合、子供はアルゴリズムやAIが指示する学びを他律的に行うこととなり、次代において、最も重要な「自ら学びを調整する力」の育成につながらない。「個別最適な学び」の本質は、自分で自分の学びを調整しながら、試行錯誤を繰り返すことであり、さらに、多様な子供たちが「協働」で学ぶ機会が確保されることが学校教育の役割。そして平均点主義を脱し、「評価軸」を変えていくことは、学校だけでは困難であり、企業・大学・保護者など社会全体の理解とともに変えていくことが必要。子供が多様な人に触れ、学校にとどまらない学びの場所を提供することで、子供の持っている良さや可能性を多様な第三者から引き出すことにより、子供に対する「評価」を多様化していくことも重要。』
実は、デジタル化というのは、単にアナログからの転換や新しい情報技術を取り入れるという表層的なことではないのです。それに伴う本質的、根源的な学びに対する意識の変革やあり方が大きく関わっている。そこに大人や社会は向き合っているのか。デジタル化へのとば口に過ぎないテクニカルな対応に手間取っている間に、深層で起きている肝心な新しい学びの萌芽を見過ごし、その後押しが微塵も進まない大停滞を引き起こしていることに。
こどもたちにとっての”鑑”よ、屈むな…。
ご一読いただきまして、ありがとうございました。
それではみなさま、よいあけがたを!
>追記
夏があけたー!近所のあんこの美味しい和菓子屋さんで。大好きな宇治金時♡
これを食べると「夏だなぁ」と。個人的には、梅雨明け宣言や海の日よりも、今年初のかき氷が、夏あけ宣言!
この夏、何回食べられるか。
