2025.06.25
だがために
-5-
今日は全国的に雨模様ではありますが、安心してください。ちゃんとあけてますよ!
パンデミック。まるで小説や映画のような世界が現実になった、あの日。法務省HPで振り返ってみると
『令和2年4月7日、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県の7都府県を対象区域として緊急事態宣言が発出されたことを皮切りに、新規陽性者数が最初のピークを迎えた同月から同年5月にかけて、全国47都道府県が同宣言の対象区域となった(以下「第1回緊急事態宣言」という。)。その後、2年中に緊急事態宣言が発出されることはなかったが、3年1月から東京都を含む4都県を対象区域として緊急事態宣言が発出され、同年3月までの間、最大で11都府県が同宣言の対象区域となった(以下「第2回緊急事態宣言」という。)。さらに、令和3年4月から東京都、大阪府等の4都府県を対象区域として、またも緊急事態宣言が発出され、同年9月末までの間、最大で21都道府県が同宣言の対象区域となった(以下「第3回緊急事態宣言」という。)。』
個人的には、やはり第1回緊急事態宣言による初めての在宅勤務の経験が強く印象に残っています。そして、地域にもよりますが、ここ東京においては計3回の緊急事態宣言がありました。こどもたちも自宅で初めのうちは僅かばかりプリントベースの学習をしていたのが、時間を経るごとに少しずつデジタルデバイスを通じてオンライン上でのやり取りや授業を試行錯誤しながらも進められるようになっていきました。
ただ、実はそのような変化を、本来目標として明確に掲げていたものがあったのです。それが、結果としてコロナという猛烈な追い風によって劇的に進んだという皮肉な状況だったのです。
文部科学省HPによると、(ちょうどコロナ禍に重なる時期) 2019年から推進された「GIGAスクール構想」というものがあり、2023年度中に全国の小・中学校に児童生徒1人1台端末が整備され、遠隔・オンライン教育、デジタル教科書・教材、学習ログの活用促進等々を実現する予定でした。2019年度時点の端末の納品完了自治体数は僅か1.2%。それが、翌2020年度内に96.5%を実現したのです。この数字だけみれば、国を挙げての素晴らしい推進力!と手放しで称賛したいところですが、実際には遡ってみると、2011年公表の「教育の情報化ビジョン~21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して~」というものが、まさに2020年までの達成を目標に掲げられていました。つまり、同様の構想は2011年から始動していたにもかかわらず、2019年=目標期限の前年時点(8年間)で、たったの1.2%という進捗。。。そこからコロナの強制力をもって1年であっという間に96.5%達成というのは、全く称賛に値しないどころか、それまで教育現場がいかに本気で取り組んでこなかったかの証として、火を見るよりも明らかではないでしょうか?遅々として進まなかった状況は、完全に大人の責任以外の何物でもないと言って間違いないでしょう。しかも、謳われていたのは、 1人1台の情報端末による教育の本格展開のためにセットで必要な「デジタル教科書・教材の普及促進」といった点もありましたが、わが国でよくある“検討に検討を重ねて”いるのでしょう…、一向に実現する気配がありません。「産学官等連携による広範なネットワーク形成、教育の情報化のための社会的機運の醸成」も併せて謳われているものの、大人達は機運を醸成するどころか、かき消そうとするばかりです。端末があっても、肝心のソフトが揃っていない、なんて中身の入っていないお弁当箱だけ手に入れたようなもんでしょうか(苦笑)
こどもたちの成長はあっという間です。仮に2011年に小学3~4年生だったこどもたちは、今では社会人になっている年頃です。このことをどう思いますか?大人は緩々やっていても5年、10年なんて大したことないと思っているのかもしれませんが、もしこの間きちんと推進・実現できていたならば、こどもたちにとって違った未来、可能性がひらけていたことは充分にあったと思います。
だれのために、だれが本気でやるのか。
お弁当の話でお腹がすいてきてしまったので、腹ごしらえしてから、また筆を進めます。
ご一読いただきまして、ありがとうございました。
それではみなさま、よいあけがたを!