2025.11.10
危機
-92-
本日もあけました!
なぜ「ねこだま」が高知県に焦点を当てていたのか? について、実はもうひとつの重要な観点がありました。
前回、高知県が現在の日本を象徴しているかの如く、たくさんの課題がぎっしり詰まった地域だということを挙げました。その表れとして、県内34自治体のうち消滅可能性自治体が25にものぼる事態があり、それら地域の課題解決の鍵になるのは、やはり「こども」「教育」だと強く感じています。
▼高知県内の小中学生を取り巻く現状
<文部科学省HPの公表数字より>
・2024年度(令和6年度)の高知県内小中学生の不登校が1,000人当たり34.9人で過去最多に
・2023年度(令和5年度)の34.3人/千人を上回り、前年度に続いて最多を更新
という憂慮すべき数字を記録しています。また、少し遡ると
・2020年度(令和2年度):25.2人/千人(全国平均 20.5人)
・2021年度(令和3年度):31.2人/千人(全国平均 25.7人)
の2年連続全国最多を記録、という不名誉な過去がありました。
しかしながら、現在は全国的には11番目に少ない状況で、過去最も多かった時 -しかも2年連続- に比べて一見大きく改善されているように感じられます。
ここでなにか変だと気づきますよね?
上述の通り、この2年間は最多を更新しているのですから、改善されているどころか、むしろ悪化しているはずです。にもかかわらず、全国的にはかなり少ない方に位置している。これは一体どういうことでしょうか?
そう、答えは簡単です。
・2024年度(令和6年度)の小・中学校における不登校児童生徒数は353,970人(前年度346,482人)と過去最多となり、12年連続で増加
・児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数は38.6人(前年度37.2人)
つまり、相対的に下がっているだけのことであって、全国的に大変な悪化を辿っているということです。
最新の数字が全国平均で38.6人/千人となっている中で、その顔ぶれは、
・2024年度
▼下位(多い)
・沖縄県:49.5人、島根県:48.8人、長野県:48.6人、福岡県47.2人、宮城県:47.0人、静岡県:45.6人
▼上位(少ない)
・福井県:28.9人、岡山県:29.6人、香川県:31.6人
比較として、高知県が全国最多を記録した2020年度、2021年度もみてみると
・2020年度
▼下位(多い)
北海道:24.8人、島根県:24.7人、沖縄県:24.3人、長野県:23.7人、静岡県:22.9人
▼上位(少ない)
福井県:14.0人、岩手県:15.6人、山形県:15.6人
・2021年度
▼下位(多い)
宮城県:30.3人、島根県:29.9人、長野県:29.8人、北海道:29.7人、沖縄29.4人
▼上位(少ない)
福井県:17.8人、岩手県:19.4人、山形県:20.1人
たとえば、全国最少を保ち続けている福井県でさえ、これらを時系列で並べてみると14.0→17.8→28.9。ダブルスコア超になっているのです…!
現在、全国最多を記録している沖縄県は24.3→29.4→49.5。こちらも見事⁈ダブルスコア超の伸び率です。
結局のところ、他の地域の伸長率によって目立たなくなっているだけで、高知県は県内の総人口やこどもの数がどんどん減り続けている中、それと反比例するように小中学生の不登校の絶対数は増え続けているのです。そんな危機的状況に直面している地域だからこそ、嬉々として思い切った取り組みを推し進めることで飛躍できるチャンスがあると考えています。
ご一読いただきまして、ありがとうございました
それではみなさま、よいあけがたを!
