2025.06.26
牛歩
-6-
今日もあけました!
前回、いまだ教科書のデジタル化は遅々として進んでいない。10年後、こどもたちが社会に出ることを考えてのこととは到底思えない。といったことを書き連ねました。
改めまして、文部科学省によると、
【デジタル学習基盤に係る現状と課題の整理(案)】 令和6年9月30日
<デジタル教科書>
✓経緯・概要
●令和元年度から教科書代替教材として学習者用デジタル教科書が制度化され、令和3年度からは実証事業として国から提供を開始。中央教育審議会における議論を踏まえ、「当面の間」は紙の教科書との併用を前提とした上で、令和6年度を本格導入の契機として段階的な導入を推進(小学校5年生から中学校3年生を対象として「英語」、その次に現場のニーズが高い「算数・数学」を段階的に導入。)。令和3年4月から、デジタル教科書の使用を各教科等の授業時数の2分の1未満とする制限が撤廃され、1人1台端末や通信ネットワークの整備と相まって、デジタル教科書の活用が進んできている。
✓現状
●令和6年度においては、全ての小中学校等に英語のデジタル教科書を提供するとともに、約55%の小中学校等に算数・数学のデジタル教科書を提供。一方、授業での学習者用デジタル教科書の使用頻度は向上しつつあるが、4回に1回未満との回答が約半数となっている(令和5年度文科省調査)。
【デジタル教科書をめぐる状況について】 令和6年9月4日
<学習者用デジタル教科書の児童生徒への提供状況(民間販売分)>
●令和5年度の学習者用デジタル教科書の民間販売数は紙の教科書の1%前後にとどまっている。
とあります。デジタル教科書の提供の割合については、国が提供している数字として、ニーズの高い「算数・数学」でも5割強(民間販売数は、紙の教科書の1%前後:「算数・数学」でも1.3-2.4%)、かつその使用頻度が4回に1回未満が約半数ということは、積極活用や全体浸透には程遠い実態だと感じます。
「政府においては、令和10年度に「デジタル教科書を実践的に活用している学校の割合」が100%となることを目指して 学習者用デジタル教科書の活用促進を図っている。」
ということですが、遅すぎないでしょうか?
企業で働く環境において、そんな牛の歩みでは立ち行かなくなります。あと4年かかってやっと全員が活用できるようになるということが意味するのは、この間、早期に取り組んでいる学校とそうでない学校で過ごしたこどもたちの学習経験格差は大きくなるということです。また前回触れた通り、こどもたちは一年ごとに学年が上がり、卒業していくわけです。
なぜこのスピードなのか。その歩みの証左のような、もはや諦めの境地に至るデータがありました。(前出の【デジタル学習基盤に係る現状と課題の整理(案)】より)
<汎用クラウドツールの活用・ペーパーレス化等に関する学校の実態②>
【ペーパーレス化】業務にFAXを使用していますか:使用している 95.9%、使用していない 4.1%
驚愕の数字です…。私が会社に勤め始めた頃(四半世紀前!)は、確かに紙の伝票やら台帳やらがまだまだありました。でも、ほどなくしてメールやデータファイル等に取って代わられ、FAXはほとんど使う機会がなくなりました。
現状の変化に対応しない、できない大人の怠慢、あるいは先を見ていない大人の視野狭窄により、こどもにとって社会とのとてつもない周回遅れを取る、足止めを食らわせるのは、言語道断ではないでしょうか?
こどもは大人の写し鏡だと私は思っています。あえて直言するなら、リテラシーのない教師たちの都合や成長をやめた大人たち自身が時代遅れになるのは勝手です。でも、それがこどもの成長を堰き止め、妨げているとしたら、とんでもない大罪を犯しているわけで、そんなことをすれば、将来こどもたちに恨まれることになってもおかしくない、と憤りさえ覚えます。
また次回、歩を進めたいと思います。
ご一読いただきまして、ありがとうございました。
それではみなさま、よいあけがたを!