2026.03.23

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本日もあけました!
全国各地で「卒業式」が執り行われている時期ですね。でも、なんで「卒業」って言うんでしょう? だって学校に入るのが「入学」だから、学校を出るのは「出学」じゃないんですかねぇ。

学校における学期の始まりや終わりにあたる「始業式」「終業式」なんて言葉もあることですし、たとえば「卒学式」などにならなかったのはなぜでしょう。

▼日本国語大辞典より抜粋・引用
【卒業】

解説・用例
〔名〕
(1)一つの事業を完了すること。
(2)学校で、所定の学業課程を学び終えること。また、学び終えて学校を去ること。《季・春》
(3)思想の発展、技術の習得などで、ある段階を完了すること。


言葉は生き物ですから、意味は変わったり、広くなったりすることは当然ありますが、上記の通り、元は「事業」の完了の意味だったと知れば、とてもしっくりきます。
それが学校における学業にも用いられるようになったのは、今から150年以上前に遡ります。

▼文部科学省HPより抜粋・引用
学制(明治五年八月三日文部省布達第十三・十四号・明治六年三月十八日文部省布達第三十号・明治六年四月十七日文部省布達代五十一号・明治六年四月二十八日文部省布達第五十七号)
・第二十七章 尋常小学ヲ分テ上下二等トス此二等ハ男女共必ス卒業スヘキモノトス教則別冊アリ

さらに、明治六年三月に学制二編として条文が追加され、「学科卒業證書ノ事」が定められたとあります。

したがって、1872年の学制の公布にはじまり、「卒業 」が普及・浸透したわけですが、むしろ学校と密接に結びついた固有な言葉として定着した感があると言っても良いほどです。
そんな「卒業」も、最近では(3)の適用が広がっている印象で、巷に「卒○」という言葉が溢れかえっていますね。「辞める」「引退」をより前向きで好印象な言い回しとして使われている傾向がありますが、こうなってくると学校特有のものではなく、あまり多用されると”有難み”もなくなってきてしまうように思います。

と言いながら、”有難み”と言ったところで、当事者の生徒のみならず、親や先生方など関係者総出で感慨深く感傷に浸ることのできる一大イベントとして、情緒的なニュアンスがあまりにも大きくなり過ぎてしまっただけのことだとも言えそうです。

そこで敢えて、元来”軍隊としての色合いが強かった義務教育”として当てはめ直してみると面白いかもしれません。なぜなら、下級の兵士のことを「兵卒」と呼びますから。
先生という「指揮官」の命令に絶対服従する生徒の「兵卒」が、義務教育期間としての「兵役期間」を終えて学校と言う名の「軍隊」から解放されることになった”兵卒の終業”である「卒業」という解説は、皮肉でもなんでもなく、今現在も全くもってその通りではないかというほど非常にしっくりくるように感じられてしまいます。

ご一読いただきまして、ありがとうございました

それではみなさま、よいあけがたを!